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代表者挨拶



21世紀初頭において、社会的にもっとも大きな出来事の1つは本格的な少子高齢化社会の到来であると言えます。企業活動や国民生活にどのような影響を及ぼすかは誰もまだ見ぬ世界であります。

有史以来の未曾有(みぞう)の事態である少子高齢化社会の時代においては、国内の現役世代が高齢世代を直接的に支える公的年金を中心とした社会保障制度の仕組みだけでは、国民生活の安定を図れないことは明白となっています。

このような激変の時代における国民生活の不安を解消するために、確定拠出年金法(日本版401K)が平成13年に施行されました。確定拠出年金法は、国民のための『年金法』であります。法律にも明記されています通り、少子高齢化社会の中で公的年金制度と確定拠出制度を、企業活動や国民生活に応じて組み合わせて補完し合いながら、それぞれの長所を活用することを目的としています。

これは国民の年金法でありながら、従来のような強制適用の年金法ではなく、企業と国民が自由に制度利用の選択ができるように設計されていることからも分かります。確定拠出年金法は、すべての運営を民間会社の努力によるものとしていることも大きな特徴です。官から民へは、戦後60年を経た新しい時代の流れですが、まさしく確定拠出年金法は、社会的な年金制度構築における官から民への初めてのステップです。企業や国民がどのように確定拠出年金法を有効に活用して育てるかは、民間の自主的な努力に任せられました。

また、少子高齢化社会の進展だけでなく、IT技術の発展、労働市場のグローバル化と、社会経済環境は今後も大きく変化していきます。民間の力によって社会経済環境の変化に柔軟に応じることができる新しい賃金体系や年金スタイルの構築が求められる時代となりました。

 
選択制確定拠出は、確定拠出年金法(日本版401K)に加えて、従来から中小企業において広く利用されている中小企業退職金共済制度(中退共)特定退職金共済制度(特退金)にも選択制を組み入れた新しい賃金・年金スタイルとしてのご提案であります。これら3つの確定拠出制度は、現在の高齢者扶養の視点から、確定拠出制度の利用には拠出限度額の設定などの措置が適用されており、国民全体の社会的扶養のバランスを保てるように設計されています。真の社会的扶養とは、国民全体の総力による扶養であります。
 
私どもがご提案する選択制確定拠出の活用の目的は、国がバランスを取る直接的な社会的扶養だけにとどまらず、社会全体が労働力的に活力を得て、市場と社会全体を通じた活気ある間接扶養によっても高齢者扶養が行なえる新しい社会的基盤の構築です。

 
従業員は、企業の制度を活用して老齢期の所得の確保にかかわる自主的な努力を行なうことにより、ライフプランやキャリアプランに応じた新しい年金スタイルの構築が可能となります企業の賃金制度や従業員のライフ・キャリアプラン、そして国民の高齢者扶養にかかわる年金制度は、数十年にも及ぶ長い期間の中で構築され改良されていくものですが、何事も最初の第一歩がなければ前へは進めません。
 
新しい時代における貴社の発展と従業員の皆さまのゆとりある暮らしの実現のために、私どもは、皆さまが新しい第一歩を踏み出されるために必要とされる企業でありたいと思っております。『国の支援』がある選択制確定拠出の活用によって、皆さまがそれぞれの新しい賃金・年金スタイルを大きく育てていただけるように、私たちは、皆さまのお役に立てるように日々邁進して参ります。

 
何卒、ご指導ご鞭撻下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。



平成24年4月吉日
株式会社TSR
代表取締役 田中 正利